・・・毎日がつまんねぇ。正直、学校行くのもだりぃ。

友達もそんなにいねぇし、女にもモテねぇ。

だが、学校サボる勇気もねぇ、ヘタレな・・・俺。



俺は、「矢神 陸斗」空城学院高等学校に通う、16歳、高2。

成績はいいほう、スポーツもまぁ、そこそこ得意。

「クール」とか「冷血」とか、よく言われる。人付き合いが、

苦手なんだからなんだけど。


今日も暇な午後の授業、しかも数学。最悪。

さっきメシ食ったのに、もう腹減った・・・。

ボーっと外を眺める。


ふと、校門付近を見ると一人の女が立っていた。

・・・白いワンピースに身を包み・・・ふわふわの金髪・・・

うわ、後ろ姿、あの娘、メチャ可愛い。。。

顔が見てぇ・・・ここ、二階だから色くらいしか判別できないな。

♪キーンコーンカーンコーン。ベルが鳴った。みんな一斉に帰りだす。

俺もはっとした。あの子の顔が見たい!!あの子が・・・いなくなる前に。

俺は階段を駆け下り、あの子の元へ急いだ。


・・・いない。チェッ。左右を見渡すと、さっきの女の子が、角を曲がって行った。

何を思ったか、俺はその子の後を追った。


信じられない光景を見た・・・


背中から・・・白い・・・天使の・・・羽・・・?


「こんにちは。」

え?俺に話しかけてる?ていうか、二人しかいないから、俺に話しかけてんのか。


「こっ・・・こんっ!にちゎっ。。。」

「可愛い子ね、私はナツム。貴方は?」

「り・・・陸斗・・・です・・・」

うわ、顔もメチャクチャ美人。カワイイ系?ってヤツ?

「アヤカ・・・」

「え?」

「・・・いいえ、なんでもないわ。じゃあね、陸斗くん。」


バサッ・・・ナツムちゃんは飛んでいってしまった。

ケータイ番号聞けばよかった・・・。

・・・てか、俺、冷静になれ・・・!羽!?飛んでいった!?

・・・幻聴、幻覚だったのか?