「俺さ、ずっと苦しかったんだ。この病気のせいで色々と制限されるからとかそんなんじゃなくて、両親が必死に俺を取り囲むのが。それがあの人達の愛情だって最初は我慢してた。俺だってあの人達に心配掛けまいと必死に頑張った。だけど、いい子を演じることに次第に雁字搦めになって。自分が自分じゃなくなるようで……逃げ出したんだ」



苦しげに眉を寄せるシュウ。
その気持ちが痛い程伝わってきて、私は何て言ったらいいかわからなかった。



「病院を抜け出して当てもなく歩いた。偶然あの時計広場に辿り着いて、ベンチにボーッと座ってたら色んな奴がどうした?って話し掛けてきてさ。いつの間にか俺の周りには凄い人集りが出来てた。歌を歌ったり、ダンスをしたり、漫才をしたり。あそこには自由があった。あそこにいる奴らは好きな事をして、凄い格好良く見えたんだ」


「うん、わかる。その気持ち」



だから私も惹かれたんだ。

キラキラした目を持つ皆に会いたくて。

シュウに会いたくて。


あそこに行くと、私も自由になった気がしたんだ。