暫しの沈黙が流れる。


何か言わなきゃ。

そう思い、顔を恐る恐る上げると、目が合った瞬間シュウは気まずそうに視線を逸らした。


「はぁ…」と、シュウが大きなため息を漏らす。

その姿に、ズキっと胸が痛んだ。


シュウ……
私に呆れちゃった?
私に愛想を尽かしちゃった?
もう、目も合わせたくないぐらい嫌いになっちゃった……?


不安と後悔でじわりと涙が浮かぶ。
それを唇を噛んで堪えると、シュウが掠れた小さな声で言った。



「最近……気が気じゃない」


「え?」


「サチ、可愛くなったから。周りがサチを見る目が変わって……いつ誰に攫われるか心配で仕方ない」


「シュウ……」



思わぬシュウの言葉に、一気に胸が早鐘を打ち始める。


耳まで真っ赤にするシュウ。


ねぇ、シュウ。
今の言葉、どういう意味?
その真っ赤な顔でそんなこと言われたら……私、期待しちゃうよ。


好き。好き。シュウが大好き……

シュウの気持ちが知りたい。

シュウは私のことどう思ってるの?

さっきカエデさんに言ってた通り、私に優しくしてくれるのは義務なの?
違う景色を見せてくれるっていう約束を果たすために面倒見てくれてるだけ?

それとも、少しは私のこと好きになってくれてるの?