「もう誰も助けてくれない。もう誰も私を信じてくれない。だから私は逃げることを諦めた。そんな私の頭に思い浮かんだのは、この人生を自ら終わりにすることだった」
所詮、私は何も出来ない子供。
私の言葉に力なんてない。
そんな子供の私でも出来ることは、ただ一つだ。
暫しの沈黙が流れる。
周りの雑音が遠く聞こえた。
「……それでも死ぬなんて言うな」
雑音に消されそうなぐらい小さい声だった。
やるせない表情を浮かべて噛み締めるように言う金髪男に、カッと頭に血が上る。
「はっ……ホント、笑わせないでよ。あんたってさぁ、命大事にしてますって善人ぶって、自分に酔ってるだけじゃんっ‼︎」
こいつのこういう表情を見てると腹が立つ。
“同情はします、可哀想だと思います、でも命は大切にしましょう”って、何それ。
私は善人です、って?
金髪男に私のことわかってもらおうなんて思ってないし、わかってもらいたくもないけど。
私の気持ち痛い程よくわかるっていうその傷付いた表情見てるだけでムカつくんだよ!
キッと睨みつける。
ほぼ初対面なのに、ここまで感情を乱されたのは初めてだ。