「なら、尚更私には不必要なものね」
「なんでだよ。必要ない奴なんていない」
「いるんだよ。これから死ぬ人間には笑顔なんて必要ない」
私はふっと目を細めて笑いながら言うと、金髪男は目を見開いた。
「……死ぬ?」
さっきまでの得意げな表情が消え、眉を寄せる金髪男。驚愕と動揺。彼の掠れた声からそれが窺えて、私は更に目を細める。
「そう。私、死ぬの」
だからもう放っといて。
あんたみたいな脳内花畑な人間に私の気持ちなんてわからない。わかってもらいたくもないんだから。
言葉を失くして何処を見てるのかわからない呆然とした目をする金髪男を置いて、私は背を向ける。
もうこの男とも会うことはない。
少しは自分の考えが能天気な考えだったとショックを受けているだろうか。
あの得意げな顔を曇らせることが出来て
なんかスッキリした気分。
人生最後にこんな晴れやかな気分になれるなんて思わなかった。
今日はもう帰らない。
これからまた探しに行こう。
最期の場所を……
鼻歌が出そうなのをグッと抑えて歩き出す。
さて、なるべく人様の迷惑にならないところに行こう。
この辺ならあそこがいいかもしれない。確か隣町との境目辺りに廃校になった学校があったはずだ。
その廃校に向かうべく、広場を出ようとしたその時。

