「なおさら練習だな」
「はぁ?アンタ、さっき私が言ったこと聞いてた⁉︎」
もう嫌っ!なんなのホント。
さっき言ったこと何一つわかってないじゃん。
何処からどう見ても、誰がどう見ても私が怒ってるっていうことは一目瞭然なはずなのに、金髪男は薄い唇をニカッと上げて笑った。
「人生笑わな損だぞ。人はなぁ、笑ってる時は幸せになれんだよ」
「…何それ。なんかジジ臭い」
「どんなに辛くても、笑顔さえ忘れなければいつか心が晴れる。どんなに悲しくても、笑顔があれば幸せに導いてくれる。だから、どんな時も笑うことを忘れちゃいけない。笑顔は最強の幸せ道具だぜ」
私の目を逸らさずに、キラキラ光る瞳を瞬かせながら金髪男は得意げに言った。
ああ、そうか。
こいつは幸せな人生しか知らないんだ。
私みたいにどん底の人間の気持ちなんて考えたこともないんだろう。
少し悩んでるぐらいの人になら、金髪男のこの自論は心に響くのかもしれないけど。
そんな安っぽい言葉、私の心には何も響かない。
笑顔なんかで救われるのなら、私みたいな人間はこの世に存在しない。そんな簡単じゃない。

