「……っ…私のせいだわ。あの時、止めていれば……」
遠くの方から微かに話し声が聞こえてくる。
この声は、菜摘さん?
もしかして泣いてるの?
「違う。お前のせいじゃない」
次に聞こえて来たのは哲二さんの声だ。
いつもよりくぐもってるように聞こえるのは気のせいかな……
二人の会話が徐々に鮮明に耳に入ってきて、私は重い瞼を薄っすらと開けた。
「あっ、あなた‼︎」
ボヤけた狭い視界に、二つの黒い影が映る。
数回瞬きをすると、哲二さんと菜摘さんが私を泣きながら見つめているのがはっきりと見えた。
「サッちゃん…?」
「哲二さん…と、菜摘さん?ここは……?」
頭が重い。ぼーっとして、今の状況がよくわからない。
「病院よ。あなた、高校の屋上で気を失っている所を発見されたの」
病院…?屋上で気を失ってた……?
あ……そうだ。私、屋上で寝ちゃって。
それで、白い夢の世界でシュウと会って……
えっ…シュ、ウ……?
シュウの事を思い出した途端、寝ぼけていた頭が一瞬でクリアになった。
「シュウ……っ!シュウは…っ⁉︎」
あの白い世界で起きたことは現実?それとも本当に夢?

