満面の笑顔を浮かべる二人。
その顔は次第にぐちゃぐちゃに歪んで、二人して大粒の涙を流した。
「サチ」「シュウ」と嗚咽交じりの声で呼び合うと、どちらからともなく抱きしめ合う。
温かい……
シュウの腕の中はこんなにも温かいのに、どうしてシュウの時間があと少ししかないんだろう。
心臓も規則正しく動いてる。
力強く、だけど優しく。
胸を一生懸命叩いて、生きてるのに……
「サチ……俺、サチと出会えて本当に良かった」
「ゔん……っ、うん」
泣き過ぎて頷くしか出来ない。
言葉にならない変わりに、私も同じ気持ちだと伝わるように何度も何度も頷く。
「好きだ……俺は、サチが大好きだ」
シュウの切なすぎる声が鼓膜を揺らす。
初めて聞いたシュウの気持ち。
ずっと聞きたかったシュウの気持ちだ。
胸が、体が、奥底から歓喜で震え、シュウの愛に包まれた。
「本当は俺がサチを幸せにしたかった…」
シュウは私の肩を掴むと体を離した。
鼻先が触れるぐらいの距離にあるシュウの整った綺麗な顔。
そして、ゆっくりと唇が重なった。
触れるだけの、優しいキス。
大好きな人との、初めてのキス。

