「俺、最後にサチと群青色の空を見られて幸せだ」
空を見上げながら、感慨深く呟くシュウ。
その横顔が今にも消えそうで、私はシュウの首に抱き付いた。
「っ、サチ……?」
「最後なんかじゃない。これからも沢山見るんだよ。群青色の空も、真っ赤な夕日も、満天の星空も、二人で沢山沢山見るんだよ」
シュウが消えてしまわないように、抱き締める腕の力を強める。
もう離さない。一人にしない。
私はずっと側にいる。
それが例え、天国でも……
「ありがとう、サチ」
シュウは涙交じりの声で言うと、私の背中に腕を回した。
この上なく幸せだった。
大好きなシュウの腕の中で、その鼓動を聞いて。
だけど。
シュウは一度私をギュッと強く抱き締めると、「でも……」と私の体を離した。
「サチは帰らないといけない」
「え…?」
「サチには帰る場所があるだろう?」
切なげに笑うシュウに、さっきまでの幸せが瞬時に不安に変わっていく。
シュウが私を置いていこうとしてる。
それが苦しいほど伝わってきて、涙が頬を流れた。
「帰る場所なんてないっ……私の居場所はシュウの隣りだけだよ」
どうか、離そうとしないで。
私を置いていかないで……

