屋上に足を踏み入れると、以前シュウが寝転んだ場所に私も体を横たえる。


シュウが見た景色。
シュウが好きな空。

シュウと最初の思い出の場所。


あの日、シュウはこの群青色の空を抜けるような綺麗な空だと言った。

だけど、私にはどう見たって闇空にしか見えなくて。

そんな私に、シュウが私の景色を変えてやるって言ったんだ。


今は確かに闇空には見えなくなった。
だけど……



「シュウが隣りにいないと、やっぱり駄目だよ……」



隣りにシュウの笑顔と温もりがあって、初めてこの空が綺麗な空に見える。

私の目に映る景色は、シュウがいないと輝いて見えない。



ここに来ればシュウに会えると思ったけど、逆にシュウがいないことが身に染みてしまった。


家に帰っても、広場に行っても、屋上に来ても、シュウは何処にもいない。


ねぇ、シュウ。
何処にいるの?

私もシュウの所へ連れて行って。

一人にしないで……