トボトボと商店街を歩く。


皆どこに行ってしまったんだろう。
あの人達なら、ここを追い出されてもきっと何処かでまたやりたい事をやって自由に生きているんだろうけど。

シュウと私の出会った場所。
あの自由の広場がなくなってしまったのは、凄く寂しい事だ。



時刻はいつの間にか五時半を過ぎた。
まだ冬最中の今は、日が暮れるのも早い。



「あ……群青色だ」



ふと空を見上げると、あの日シュウと見た空に似ていて私は足をピタッと止めた。

もう二度と行く事はないと思っていたけど……


私はくるっと方向転換して、今来た道を駆け足で戻った。



まだ開いたままの校門を潜り、まだ練習の片付けをしているサッカー部を横目に昇降口から校舎に入る。

電気は消え、真っ暗な校舎は少し肌寒い。


そう。私が来たのは以前通っていた高校だ。

かつて自分が使っていたロッカーは空っぽのままだった。教室には行く気はない。あんな所、懐かしむような場所でもない。


私は靴下のまま階段を登り、屋上に向かった。

あの日、シュウがやっていたようにドアノブをカタカタと回す。若干手間取ったけど、カチャと鍵は簡単に開いた。