「はっ……はぁ…い、いや……」
体が震え、少し開いた唇から声が漏れる。
シュウ…シュウ……
何が起きてるの……?
何で目を覚まさないの?
今朝まで元気だったじゃない。
具合が悪かったのは、車酔いしたからじゃなかったの……?
涙が流れ、顎先からポタポタ落ちる。
ねぇ、目を覚ましてよ……
“あー、よく寝た”って、笑って見せてよ……
「シュ、シュウ…っ‼︎冗談止めて、よ……」
震える手で力をなくしたシュウの手に触れる。
冷たい。シュウの、あの優しい温もりを感じない。
「やだ……やだよ…」
「サッちゃんっ……」
菜摘さんは私の隣りに来ると、私の肩を摩るように抱き締めてくれる。
だけど、体の震えは止まらない。
哲二さんの額に薄っすらと汗が滲み出す。その表情は険しく、一刻を争うことなんだと嫌でも伝わってきて、私は唇を思いっきり噛んだ。
どれぐらい経ったかわからない。
バタバタと慌ただしく救急隊が入って来て、処置をしている哲二さんと何か言葉を交わすと、シュウをストレッチャーに乗せた。
菜摘さんに促されるまま、私も体を動かす。哲二さんは救急車に乗り、私と菜摘さんはタクシーでその後を追った。

