キミノカケラ〜群青色の空と君と〜



「……聞いてんの?」



何も答えない私に、眉を寄せる。


コウノは何かと私に突っかかってくる。
そんなに私が気に食わないなら、関わらなきゃいいのに。


そう言いたいのに、私の口から出たのはよく耳を澄まさないと聞こえないぐらい小さな掠れた声で一言「…はい」という返事だけだった。


ご満悦そうにニヤリと口の端を上げるコウノ。


この瞬間がコウノにとって優越感に浸れる最高のひと時で、私に長い間関わってくる原因なんだろう。



私も、胸の内では強気な事を思っていても実際は声に出して戦えないただの弱虫で。コウノにその隙を与えてるのは紛れもなく私だと思う。




「コウノ達、もうチャイム鳴ったぞ」



タイミング良く担任が階段から昇ってきて、コウノはくるっと表情を変えた。



「はーい!すみません」



媚びを売るような猫なで声としなやかな身体の動き。これがコウノの表の顔だ。


この声がかっこいい男子の前だと更に一段と高くなる。