「両親揃って、こんな風に捨てるならなんで私を産んだの?」
「……っ」
「望まない子供だったなら、その時に堕ろしてくれた方が私は幸せだったよ」
「っ‼︎何を言ってるんだっ!」
「だってそうでしょ?学校でも家でも私の存在はゴミ以下だった。お父さんにはわからないよね。自分だけ逃げ出して。でも私は逃げ出せなかった。子供だから逃げ出したところでお金も働くとこもない。私のこれまでの人生は地獄だった」
もう怒鳴る気力もない。
淡々と、私の声は自分でも驚くほど冷静だった。
この状態でここまで冷静になれる自分が恐ろしい。
それほど、精神は崩壊寸前なんだと思う。
「望まない子供なんかじゃなかった」
ややの沈黙の後、ぼそっと口を開くお父さんに目をやる。
唇をきつく噛み締めて悲痛な表情を浮かべるお父さんに、私の胸がギシッと唸った。
「父さんはお前を妊娠したと母さんから聞いた時、凄く嬉しかったんだ」
「じゃあなんで?なんでこんな風になったの?」
私が物心ついたときから二人はよく喧嘩をしてた。
喧嘩の理由まではわからないけど、喧嘩の後大泣きするお母さんを慰めようと、小さかった私は私なりに頑張ったつもりだった。
だけど、多分それはあの人にとったら邪魔だったんだと思う。
“うるさい!あっち行け!”なんて言葉はその頃からよく言われていたっけ。
日に日にあの人の言葉は酷くなっていった。
家事もやらなくなり、煙草とお酒が増えた。金使いも荒かったんだと思う。化粧と服装がどんどん派手になって、私とお父さんを見る目が冷たくなった。

