「は??してるし」
「してない」
「いや、これマジ」
…。
はいはい。
今にも言いたい。
あ、そうだ。話題を変えよう。
「あ、その卵焼きおいしそーだね!!」
敢えてこんな会話をつくる。
「俺の許可なしに話変えんな!!」
「は…」
許可…??
なにそれ。
ほんっとこの人は…。
「まぁいいや。これ欲しい??」
ニヤニヤして言うなー!!
気持ち悪い!!
「いらないし。てか私のにも入ってるし」
「あ、そ。じゃあひとつ交換しようぜ」
「なんで…」
「同じ卵焼きでも、味は違うんだから??」
「はいはい、どうぞ」
私はお弁当箱を冬に渡す。
なのに冬はお弁当に目もつけず、私の腕をまた摘む。
しかも二の腕。
「もう!!なに!!」
私はお弁当箱をおいて冬の手を払う。
「今、はいはいって言った??」
「い、言ってない」
そういえば言ったわ。
「言ったよな??」
「言ってませんー」
そう言ったら、また冬の手が伸びてきた。
私はそれをすかさず避ける。
「もうっ!!やめてよ!!」
「だったら言うな」
「…はーい」
てか二の腕って…。
摘むとこちがくね??
「で、なんだっけ??」
「あっ!!卵焼き」
「あぁそう」
私はお弁当箱を持つ。
「もう、冬のせいで忘れてたじゃん!!」
「あ??誰のせいだって??」
こ、こわっ…。
「な、なんでもないよ…」
「嘘つけ。俺のせいにしてただろ」
「違うし…」
そうなんだけど…。
「気にくわねーな」
何気にくわないって!!
意味分かんないし!!
結局こいつ私のせいだといいたいのか!?
じゃあ先に摘んできたのは誰ですかって話なんですけど!!
「食わせろ」
…はー??
今度はなに!?
「その卵焼き、お前が食わせてくれるんだったら。俺のせいにした事、許してやっていいけど」
「…冗談もほどほどにしてよね」
全く。
私が箸を進めようとしたとき。
「あっ、いーんだ??そんなこと言って」
「な、なによ…」
「なら俺、もうお前と喋らねーから」
「…はい??」
「それでも。いいんだな??」
…。
それは正直困る!!
冬が口聞いてくれなくなったら、勉強教えてもらえないし。
それに一度。
席替えをしてから、私が冬に逆らってしまった罰として、一日半ほんとに何も喋ってくれなかった経験したし。