「流也ぁ・・・・・・。」

「・・・・・・泣いたら、記憶がなくなっちまうぞ?」

「う・・・・・・嫌だぁ・・・・・・。」


私・・・・・・流也とまた、両想いになれたんだ・・・・・・。


「もう・・・・・・俺のことフったりすんなよ?」

「・・・・・・うん・・・・・・。」

「記憶が薄れていっても、絶対に離れんなよ?」

「うん・・・・・・。」


流也は、私の後頭部に手をそっと回して、優しいキスをしてきた。

そのキスは、涙の味がした。

とっても酸っぱくて、切ない感じのキスだったけど・・・・・・流也とのキスは、とても心地よかった。

このままずっと、こうしていたいと思った・・・・・・。


・・・・・・でも、私の精神的な寿命は、そんなに長くない。

私はもうすぐ、すべての記憶を失ってしまう・・・・・・。

記憶が消えるのが怖い・・・・・・。


流也と幸せな時間を過ごしていると、一気に不安が込みあがってきた・・・・・・。