「・・・・・・っ。」


綾羽に唇を噛まれた。

じわじわと、血が出てきて、ヒリヒリして・・・・・・とても痛い。


「・・・・・・わ、わからない?私はあんたが嫌いなの。」

「・・・・・・?!」


綾羽は、冷たい口調で俺にそう言った。

・・・・・・俺の目の前にいる女は・・・・・・本当に綾羽なのか?

まるで・・・・・・別のだれかみたいだ。

だって、綾羽は・・・・・・こんな乱暴な言葉づかいするはずないのに・・・・・・。


「私・・・・・・ほかに好きな人がいるの。あんたはただの遊び道具。あんたなんか別に本気じゃないのに、私が告白したとき、嬉しそうに舞い上がって・・・・・・バカなんじゃない?」


綾羽の言葉が、俺の胸に突き刺さる。

綾羽は、こんなこと言うやつじゃない。

相手を傷つけるようなやつじゃない。

こんな暴言、絶対に言ったりしない。

・・・・・・綾羽はなんで、こんなこと言うんだ・・・・・・?


「・・・・・・私、あんたが嫌いだから。もう別れよう。」

「・・・・・・ハア?!ま、待てよ、綾羽!どういうことだよ?!」

「・・・・・・さよなら。」

「・・・・・・お、おい!綾羽?!」