私は、お兄ちゃんが亡くなったその日から、生きることが怖くなった。
私が、こーたお兄ちゃんを殺した・・・・・・。ずっと、そう思っていた・・・・・・。

 長い年月が経って、中一の時に、私は交通事故に遭った。
交通事故で大けがをしたうえに、記憶障害なんて言われて・・・・・・私は、生きる希望をなくしたの・・・・・・。
こんな人間が、もう生きていく必要ないなんて思った・・・・・・。

 そんな時、私を助けてくれたのは、流也だったんだよ・・・・・・。
私を好きになってくれて、私に優しくしてくれたのは、流也だったんだよ・・・・・・。

 でも、記憶を忘れて、流也を傷つけるのが怖いから、私はもう、流也に会わないことを誓うね・・・・・・。
私が記憶障害じゃなかったら、こんな悲惨な運命にはならなかったのにね・・・・・・。


 流也・・・・・・。
私、流也を愛してる。
家族や友達も大切だけど、流也が一番、私にとってかけがえのない存在だよ・・・・・・。

 私、記憶障害でも、流也と恋することができてよかった。
私はちゃんと、流也の「初めて」の相手になれたかな・・・・・・。
流也が、私と恋するのがとっても幸せで楽しかったら、私は安心して、こーたお兄ちゃんのところに行けるよ。

 流也は、私がいなくなっても、大丈夫だよね・・・・・・?
一人で頑張れるよね・・・・・・?
私がいなくなったら、流也はすごく悲しむと思うけど・・・・・・私は流也に、悲しい気持ちでいてほしくない。
私は、流也の笑顔が大好きだから、大好きな流也には、ずっと、笑っていてほしい。

 私・・・・・・素直じゃなくて、ごめんね。
可愛げなくて、ごめんね。
謝りたいことは、たくさんあるけど・・・・・・ごめんねよりも、ありがとうを、伝えたい・・・・・・。

 こんな私を選んでくれて、ありがとう・・・・・・。

 じゃあ、私はそろそろいくね。
さようなら、流也・・・・・・。
生まれ変わって、また出逢う日まで・・・・・・。

                綾羽より]