冷蔵庫サイドストーリー

僕からしたら「しーちゃん」も「つーちゃん」もそう違いはないと思うのだが、シグマなりのこだわりがあるのか。


「ねーねー、なんで分かったの?」


シグマは大きな瞳を期待でキラキラと輝かせ、僕を見上げてくる。

そんな純粋な目を向けられると、父が消えた時から浮気調査を主にやっている従業員10名の探偵事務所を一月一千万で貸切状態にしていて、お前のこともホテルにいた時から調べ始めていたのだ……とは言いづらい。