冷蔵庫サイドストーリー

「ならそろそろ戻らないと間に合いませんね」


席を立つ佐田に続きながら、多分佐田が僕に対して感じているものと同じ感情を、僕もまた佐田に対して感じていた。



父が消えてから久しぶりに見た佐田の微笑み。

シグマが現れてからだ。

シグマに会ってから、僕に対して安心したような顔を見せる。

そして僕はそんな佐田に安心する。


僕らに希望の光を与えたシグマ。

ただのキープだと思いながらも、心のどこかでは彼に救われる事を願ってしまっていたのかもしれない。