冷蔵庫サイドストーリー

早くあいつを連れ戻さなくては。


そのためには――

さっきの……津曲シグマとか言ったか。

練習するなんて言っていたが、どうやればいんだ?

あまりあいつには期待しないでおこうと思うのだが、何となくまた会うのは少し楽しみな気がする。

気のせいかもしれないが。

明日はとりあえず家に連れ帰ろうか。

そしてシェフに特別美味いものを作らせよう。

僕は美食家の父と真逆で、あまり食に興味がない。
わざわざ咀嚼するのが面倒だ。

余程まずくなければそれでいいし、食べないなら食べないでいいくらいだ。

いつも生命の維持のために仕方なく食事をしている。