冷蔵庫サイドストーリー

とにかく、佐田があの時と同じ光を出すところを見たというし、本人も練習すると言っているから、キープしておくか。

とりあえず。

そんな軽い気持ちだった。

まぐれかもしれないなんて言うような、こんな普通の高校生が持っている力ならば、僕が知らなかっただけで他にもうじゃうじゃ同じ能力を持った人間がいるんじゃないか、そんな風にさえ思い始めていた。


しかしそんな訳はなく。

来るのは巧妙な手品師だとか、CGを使って撮影した映像を持参し、実際やってくれというとできない、なんて奴らしか集まらない。

いや、彼らも騙してやろうなんて気があるのではなく、宣伝を見た時点で誰もが皆それが正しいと思っているのだろう。