手の平に乗せられたビスコの個包装を見つめる僕に、シグマは楽しそうに話し掛けてくる。 「それあげる」 なぜくれる? 欲しいなんて一言も言ってないのに。 とっておきの宝物を差し出したかのように、浮かれ口調のシグマ。 一体何が楽しいのかは不明だ。