冷蔵庫サイドストーリー

「ごめんなさい」


シグマが突然立ち上がり、僕に向かって頭を下げた。


「ずっと使ってなかったから、自分でもよく扱えなくて。さっきもまぐれで出た感じだったし」


まぐれか。


もういい、彼には金を渡し帰ってもらおう。

そう思った時、シグマがテーブルを股越してこちら側にきた。

僕の横に座ってポケットから何かを出すと、それを僕に差し出した。


「多分練習したら出せるから、練習してみるね」


差し出されたのは、ビスコだった。


これを僕にどうしろと?