一年後………

俺は医学部の4年生になった。




「みぃ、おはよ」

みぃが大学を辞めてから、一緒に暮らし始めて、みぃを起こすのが、ひな兄から俺に変わった。

「ん……あお、い…おはよ」

寝起きのみぃにいつもドキっとしてしまうんだけど……

それは俺の中だけの秘密……

「今日みぃは病院に行く日でしょ?」

「………うん、準備しなきゃね」

にっこり笑うみぃは、大学を辞めてから始めた小児科に入院している子達に絵本を読んだり、折り紙をしたりして過ごすボランティアを楽しみにしている。



週二回。

それがみぃにとって限界だった。

これ以上増やすと、体調を崩しやすくなっていたので、みぃの体調を優先して様子を見ながら決めた事。

「無理はダメだからね」

「うん」

「辛くなったら誰でもいいから言うんだよ?」

「はぁい」

ほんとに分かってるのかな……

ボランティアを始めた頃、無理をして次の日起き上がれないくらいぐったりしている事が何度かあるから、心配なんだ……

みぃは俺の心配をよそに、ベッドから降りてリビングへ向かおうとしていた。


ギュッ

みぃは俺の手を握ってにっこり笑った。

「大丈夫よ。無理はしない。みんなに心配かけちゃうしね」