俺たちの妹・2

「一緒に行こうか」

そう言って、みぃの手を引いて、みぃの部屋へ向かう。

みぃをベッドに横たわらせて、毛布と布団を掛ける。

「葵……」

「ん?」

「眠るまで側に居て……」

「ふふ、もちろん」

俺は、ベッドの横に腰掛けて、布団の中でみぃと手をつないだ。

みぃは、安心したのか、ゆっくりと目を閉じた。


………何も起こりませんように

そう思わずには居られなかった。

みぃが寝息を立てて眠り始めた。



俺は、そっとみぃの部屋を出て、ひな兄の部屋へ入って、医学書を借りた。

リビングで、医学書を読みながら、長い夜を過ごす。

今の俺は……みぃの側に居たいという想いと、みぃが体調を崩した時に、すぐに処置が出来る力をつけたいという想いと、様々な想いが入り混じっている。

医者になれば、今みたいにずっと側に居ることは難しいと思う……

考える部分が増えてきている。


でも何より、今は医師免許取得のために、大学でしっかり学んで、研修を受けて、みぃやかな兄、ひな兄、司さんから信頼される人になりたい……という想いは変わらない。

その為にも勉強は怠ったらいけないよな……

医学書に目を通しながら、夜が更けるのを待った。