「っっ‼︎さ、むい……」

夏休みも後半に差し掛かったある日、私は寒気で目が覚めた。

前日までは大丈夫だったのに……




「桜、おはよ〜」

司が起こしに来てくれたけど、寒過ぎてタオルケットに包まる。

「つ、かさ……」

「桜?どうした?」

私の異変に気付いた司は私の側まで来てくれた。

そっとおでこに手を当てた司。

「熱、高そうだよ。一度体温測ろうか」

そう言って、体温計を探しに部屋を出た司。




急に熱が出るなんて……

あ、でも昨日クーラー寒いなって思ったか……

寒気で体が震える………


「桜、体温測ろう」

そう言って、タオルケットに包まって起き上がれない私にそっと体温計を挟んでくれた。

「桜……何か前兆あった?」

司も突然熱を出した私に驚いてるんだろな……

でもこれを言ったら司きっと気にしちゃうよね………


迷っていたら

ピピ、ピピ、ピピ


体温計が鳴った。



表示を見て司は眉を顰めた。



「前兆絶対あったよね?教えて」

次は有無を言わさない視線で言われた。




「…………寒かったの」


小さな声で呟いた。


聞き逃してくれる司じゃないんだけどね……


「………クーラーの事?」

コクンと頷いた。


「………あ〜。俺昨日夜中に温度下げちゃったんだよね……俺のせいだな、ごめん」

「司は悪くないよ……」

「辛い思いさせてる」

そう言って、私の頭を撫でてくれた。