モニターに彩のお腹の中が映し出される。


「うん、順調順調。心拍もしっかりしてるし、この前より大きくなってるよ。今で8週目かな……いわゆる妊娠3ヶ月だよ。まだツワリが続くと思うけど、赤ちゃんはちゃんと元気だから、彩ちゃんは自分の心配をしてね」


「彼方………赤ちゃん大きくなってる………良かった」

彩はホッとして、嬉しそうに微笑んでいた。



「こんなに小さいのが彩のお腹の中で育ってるんだな………」

小さいのにしっかり彩のお腹の中で心拍が動いていて、赤ちゃんが生きているんだと改めて感じさせられた。




「彼方、立ちくらみとか気をつけてあげて?1人の外出も避けて欲しいんだけど………明日の点滴とか彼方付き添える?」

「明日は抜けられない会議があるんだ……」

そう、明日は朝から会議室に束縛される日なんだ……

「大丈夫よ、彼方。私も無理はしないから」

彩が強がっているのは分かっている。

誰か適任者いないかな……



あ…………


「みぃにお願いしようか」

「みぃちゃんに?」

「彩の妊娠を知っているし、病院にも通い慣れてるし………どうだろ?」

「……………みぃちゃんに負担にならないかしら」

「みぃは喜ぶとおもうよ」

「みぃちゃん1人だとみぃちゃんに負担が掛かりそうで少し不安だわ………
私の事で心配ごとを増やしたくないな……葵くんも一緒の方がみぃちゃんも安心かしら?」

「まぁ、確かに葵も一緒の方が俺も安心だけど、彩はいいの?」

「みぃちゃんには早い時期からバレちゃってるんだもん。いいわよ」

彩はにっこり笑っていた。