たばこをふかしながら
おじさんの背後にある、荒屋の壁を何気なしに見て
俺は思わず手に持っていた煙草を落とした。
「栄二、どうした?」
突然、俺が硬直してしまったので、何事かと振り返り壁を見たおじさんが「なんだ?こんなのが恐いのか?」と笑った。
その壁には
確かに夢の中で見た
真っ赤な手形と「呪」の文字が残されていた…。
「あ、あれは…なんですか?」
あまりにも突然、夢で見た物と類似した物を見たせいで
驚いて声が震える。
「そんなに怖がるなよ
俺も聞いただけだけど、昔ここに井戸があったらしくてな…
そこから遺体が発見されたらしいんだけど、誰かが壁にこんないたずらをしたせいで、ここに来ると呪われるなんて言われてたらしいぞ」
おじさんは声をだして笑うけど
今、俺の頭の中で鮮明に蘇る夢の記憶。
栄に誘われた肝試しに訪れた場所。
事件。
全く同じじゃないか?
ただ、もう井戸は埋められていてその気配を消してはいるが…。


