「きよちゃんのお母さんはお菓子が作れて羨ましい‼」

鈴の満面の笑顔を見れるのは甘い砂糖菓子を食べてる時くらいだなと、清人は可笑しくてくすくす笑う。


「だってうちのお母さんは絶対に作ってくれないんだもの。

甘い物は太るって言ってるけれどお菓子を作れない言い訳なんだわ。」


文句を言っていても、甘い物を食べてる時だけは笑顔なんだ。



「そういえばきよちゃん、夏休みの宿題は終わったの?」

「いや、だから持って来たから手伝ってくれ。」

「なんでよ…。

私はちゃんと自分の力で終わらせたわよ?」


「俺にはそんな力が無いんだよ。頼むから」


バカみたいな言い訳をする清人を鈴は呆れながら眺めている。