「これ、祖母ちゃん?」
昭和初期を漂わせるような子供の写真を見つけて指をさす。
「そうそう。祖父さんが一緒に写ってる写真も、もしかしたらあったかもしれない。」
ペラペラと捲られるページの一枚の写真に気付いて「その前のページに戻って」と声をかけた。
「珍しい写真でもあったかい?」
聞きながら、ページを戻す。
そして
もう一度よく、見たその一枚の写真を見た瞬間に
ゾワワワワッと鳥肌が立ち
俺は絶句した。
「ああ、この人。
そう、この人よ、とても綺麗な人でしょ?」
そう言って
祖母ちゃんが指差した
写真に写っていた女性は
俺もよく知っている。


