「そうなんだ? それはなんだか悲しいね」 「本当だね。でも、その子のお母さんはとても素敵な人だったよ。 子供を一人失っても、漂う儚さがまた美しくて 懸命に生きてる人だった。 私のお母さん… お前の曾祖母ちゃんも仲が良くてね、家族で交流したものだ。」 思い出を語りだした祖母ちゃんは、幼い頃の気持ちを取り戻していくように、瞳をきらきらさせる。 「そんな美人なら、会ってみたかった。」 笑う俺に「見せてやりたいよ。」と言ったあと 暫くして何かを思い出したように、天井を見上げた。