その夜見た夢の中で 清人は、最後の冷麦を啜り上げると、箸をテーブルに放り投げて 慌てて玄関に向かった。 「清人、ご馳走様は? そんなに急いで何処に行くのっ⁈」 清人を追いかける言葉に一度、振り返りながら外履を履く。 「ご馳走様‼ 鈴のところに行ってくるよ‼」 「それなら、畑に実ってる枝豆を少し、おすそ分けしてあげて」 「急いでるっ‼」 「急いでてもっ‼」 顔を見なくても、母が怒っているのは一目瞭然だった。 今日は、昼飯を食べたらすぐに来てくれと鈴に言われていたみたいだ。