凛に目配せをすると


彼女も頷き


コートのポケットから鍵を取り出し渡してくれた


俺の手の中で


初めて揃った2本の鍵を

秘密基地へ帰すために


中を覗きこんだ。


すると


その壁に飾られてあった


白黒の写真を見つけて





涙が


溢れた。








最後の冬休み

最後の年明け

清人と鈴と2人で撮った写真。


撮ったというよりは、初詣帰りにお互いの両親に商店街の写真屋さんに無理やり連れていかれて撮った写真。


清人の

亡くなる前最後に撮った

写真。




「その写真は両親がずっと大切にしていたものなんですけど、押入れで眠らせるのは可哀想だと思いそこに飾ったんですよ」


大地の言葉に頷いた俺は

涙を拭い、凛にも見るように指さした。


すると、凛も思い出したのだろう…

声を震わせ泣いていた。