こんなにも、近くにいたのに 出会えなかったのは 今日という運命の日を迎えるためだったのかもしれない。 俺は彼女にゆっくり近付き 大きな瞳から こぼれ落ちそうなその涙を拭った。 「俺は…清人ではないんだ。 親友の栄の孫で… 清人と、交わした約束を果たすために 君を探していた。 けれど… 俺はずっと 清人として 夢の中で君を見ていた… 鈴…? なんだよね?」 そう聞くと 彼女は大粒の涙を流しながら 「半分正解で、半分は間違いよ」と 泣きながら笑った。