洋風の客室
黒の本革のソファーに腰を下ろして
俺は
今
夢の中でまだ赤ん坊だった
大地と向かい合い座っていた。
信じてもらえるかは分からなかったが
俺はこの鍵を形見として受け継いでからの不思議な出来事を全て
今はおじいさんになってしまった大地に打ち明けた。
老人だけれども、そんな雰囲気を感じさせない伸びた背筋
俺の話しをただ目を閉じて
静かに聞いていた。
そして
もう一度目を開けた時
力強い眼差しで俺を見ると
真面目な顔で頷いた。
「そんな不思議なことが…
でも
君の話しは僕が両親から聞いたものと、なんら変わらない…。
それに君は…
栄兄さんの孫なのだろう…?」
「は、はい…」
「君の話しを信じるよ」と大地は呟き
そして
秘密基地の鍵を手に取り
目を細めてそれを愛しそうに見つめた。


