絶句している俺に気づいた母さんが「帰って来たなら声くらいかけなさいよ。」とテーブル横に置いてあった洗濯物の入った紙袋を手に取り
思い出したように続けた。
「そういえば、栄二、あのお店の受付の女の子、可愛かったでしょ?」
「受付の…女の子?」
「お店のお嬢さんみたいでいつもあの子が店番してるのよ。
私、あのクリーニング屋さんの常連なんだから変に手をださないでね」とからかうように笑う。
お嬢さん?
…母さんと同じくらいのおばさんだろ?
それともその、年代くらいになると
1、2歳の差くらいでもお嬢さんに見えてしまうのだろうか…
変に手を出すって…
冗談でもやめて欲しい。
「そんな事より父さん、その田畑大地って人…」
慌てて話しを戻そうとしたら
目の前にいたはずの父さんが消えていた。
「あれっ⁈父さんは⁈」
「あんたがボヘーっと突っ立てる間に、近所にお土産を配りに行ったわよ?」
えっ⁈
意味わかんねー‼


