それからというもの
栄は時間を見つけては秘密基地を作ってくれていた。
そんな友人の姿も、たまに霞んでしまう。
大地も、母も清人の側を片時も離れる事はなかった。
気づけば、骨と体だけのように干からびていく体に激痛が走り
うめき声をあげると
大地の小さな手が
優しく体を撫でてくれる。
それだけで
もう
幸せだった。
「母ちゃん…頼みがあるんだ」
「なあに?なんでも言いなさい?」
「秘密基地が見たいな…ちゃんと見たいんだ」
「…分かったよ」
母はこの数ヶ月で何倍も軽くなってしまった清人を抱きかかえると
ゆっくり
ゆっくり
外へと連れ出した。


