「清人…?」 栄の呼びかけにも答えず 瞼を閉じて ただ、鈴を思った。 もしも もしも 大人になるまで この命がもたなかったとしても ずっとずっと 鈴を 想う。 この気持ちが どうにか 遠くにいる鈴へ届いて欲しいと 願いながら ゆっくり目を開けて 魂を込めるように その鍵に 息を吹きかけた。 「清人…?」 ようやく栄の呼びかけに気づいた清人はその鍵を栄の手のひらにのせる。