「大地はいいな、俺も大地くらいの頃からやり直したいな」
微笑みかけていると、玄関のほうから父の声が聞こえてきた。
「清人!清人!凄いものを買ってきたぞ!」
そう言われても、立つのも辛いくらいで、静かに部屋で待っていると、ガラリと開けられた襖の前に
白黒テレビを抱えた父が立っていた。
「と、父ちゃん‼どうしたんだよそれ⁈」
すると父は白黒テレビね画面が清人に見える位置に置くとプラグを繋ぎ、アンテナを立てる。
「家にいるだけじゃあ、お前も暇だろ?母さんと話しあって買ったんだよ」
笑いかける父に清人は久しぶりに心から喜んだ。
「なんか、すまねーな、俺のせいでこんな高価なもん…」
「何言ってるんだ、今時はもう一家に一台あったって良いくらいなんだよ」と父が笑う。
電源がついたテレビ画面は最初、砂嵐のような映像を映し、けたたましい音を立てていたけれど、アンテナを調節していくにつれて
画面がハッキリとして、音声が聞こえた。
それはよく
商店街のテレビ画面で見ていた映像だ。
「ははっ…、大地、凄いな!我が家にテレビがきたぞ」
すると、大地も清人の膝から飛び降り、はいはいで一直線にテレビへと向かう。


