「父ちゃん、お願いがあるんだけれど…」
日曜の朝早くに起きた清人は、居間で新聞を読む父の向かいに静かに座り込んだ。
しおらしい清人の態度に、父は体調が悪いのかと疑ったくらいに
その時の清人はしおらしかった。
「どうした清人?熱でもあるのか?」
「熱なんかねーよ。ただ…」
「ただ…?」
「俺に大工仕事を教えてもらえないだろうか?」
大工仕事と聞いた清人の父は目を丸くした。
この時代の男子なら幾らかばかりは誰でも日曜大工くらいはできる。
そういうのが好きな人ならプロ並みくらいに当たり前にできるのだけれど
清人の父は苦手だった。
屋根の少しばかりの補修作業なんかも必ず大工さんに頼むくらい苦手だった。


