鈴がいなくなってからの清人の心は空っぽだった。



まるで、自分の核を抜かれたみたいに毎日をぼんやり過ごしていたけれど


親友の栄が、たまに遊びに来てくれたりした。


中学校は小学校と正反対の場所にあるおかげで家から15分くらいで着くこの道のりは清人にとってせめてもの救いのように感じられた。



今まで通っていた小学校のように1時間近くをただ1人で毎日通う自身が清人にはなかったのだ。



鈴がいなくなったその代わりと言うように入学してからは、学校帰りに毎日のように栄が寄って行く。


自分の力で座るようになった大地を栄と2人でかまったり

雑談したりしながら

過ごす毎日の中で

ふと、鈴がここにいたなら…なんて考えてしまうのがどうしようもなく寂しかった。