「ちなみに…朔、次は許さないから」


鋭い瞳。

取り乱しもせず、俺みたいに自分の感情を押し付けるような行動にも出ない。


碧には敵わないよ…今のところは。

俺よりも美雨を大切にしてくれる奴が出てくるなんて…

俺の役目は終わったんだな、と感じた。


「碧、美雨のことをしっかり守ってくれよな」

碧は、真面目な顔で頷いた。


娘を嫁にやる気分だ。

これから俺の知らない美雨が増えていくことが寂しいけど。

俺を選ばなかったことを後悔するぐらいかっこいい男になってやる。


ホッとした表情の碧の横顔を見ながら誓った。