「あたし碧くんと付き合うことになったの」

言葉にすると、恥ずかしい。

顔が火照っていく。

真っ赤な顔でモジモジするあたしを朔は冷静な瞳で見ている。


「ふうん…」

いつもの朔ならすかさず、意地悪なこと言ってからかってくるとこなのに…


「朔?」

ゆっくりと、朔の視線があたしに向けられた。

無言のまま朔が近づいてきた。

朔の瞳の奥に悲しみが詰まってるみたい。

朔の手があたしの肩をつかんだ。


「痛いよ?朔…」


朔の瞳から悲しみが溢れそうになる…

朔から瞳をそらせない。


「どうしたの?朔…」

朔は黙ったまま。