恋のデザインは色鮮やかに。

「まずは読んでみないとですね」


「そうだな」


「…。あの…」


本を差し出されるが受け取らない俺を、ナルは首をかしげて見つめる。


「じゃあ、ナルが読んで。
俺は感想を聞かせてもらえればいいから」


「また…そのやり方ですか?」


「今回はちゃんと考えがあってこういう提案をしてる。

とりあえずやってみて」


「…わかりました」


渋々俺の提案に乗ったナルは、せっせと別の仕事を始めた。


今回の仕事で、ナルに本を読ませるのは担当いびりでもなんでもない。


言ってしまえば適材適所。


きっとナルの能力が最大限に発揮されるはずだ。