恋のデザインは色鮮やかに。

「レイさーん。

今の話、聞いてました?」


「え?」


急に顔を覗き込まれてハッとする。


「どうかしましたか?」


「ちょっと、ぼーっとしてた。

で、何の話だっけ?」


急いで頭を切り替える。


「お仕事の話ですよ。


書籍の表紙のイラストなんですが、要望としては主人公の2人は絶対に描いてほしいとのことでした。

あとの雰囲気とかは、全部レイさんに任せるそうです。


余計なことを言うと、レイさんは力を発揮してくれないからっておっしゃってました」


「よくわかってるな」


「で、その書籍がこれです」


ナルがバックから取り出した1冊の本。