恋のデザインは色鮮やかに。

「君、モデルかなにか?
まるで2次元から飛び出してきたようだ。

僕、Webデザイナーなんだけど、イラストも得意なんだ。
君のこと描かせてくれないかな」


「あの、ですね…」


なんていう絵面だ。


40代のメタボの社員が、20代の新入社員を必死で口説こうとするシチュエーションというものは、分け隔てなく気持ち悪い。


今にも触れそうにしている男の手を、パシンと振り払う。


「おい三木。
こいつが何なのかわかった上でそんな寝ぼけたこと言ってんのか?

ナルは俺の担当だ。

ちょっかい出すな」


ナルの側に行くと、すがるような目で見上げてくる。
よほど困っていたらしい。