恋のデザインは色鮮やかに。

「これ。
この依頼書。


この書籍の表紙の依頼ならやってもいい」


1枚の依頼書を取り出して顔を伏せるナルに渡す。


「なんですか、急に。
もう騙せれませんよ。

適当に選んだって駄目です。
ちゃんとレイさんがやりたい物を選んでください。

じゃないと私、動きませんからね」


おいおい。
普通逆だろ。


なんで俺がナルを動かすために、仕事を選ばなきゃいけないんだ。


なんて、平然を装いながらも今のナルの言葉に大きく心を揺さぶられていた。


「適当に選んだんじゃない。

この人とは前にも仕事をやったことがあって、すごいやりやすかったんだよ。

だから…」


「本当ですか…?」


グズりながらもやっと顔を上げた。