恋のデザインは色鮮やかに。

「レイ君の知り合いの方なのか?

珍しいね。
レイ君にも外出先でばったり会うような知人がいたなんて」


「就活に失敗してる女子大生って…
もしかしてこの子があのイラストのイメージをくれたって子?」


その問いにまた、手を動かされながら代わりに喋られる。


「そうでーす!

面接に落ち続ける苦悩をレイさんに話して、イメージの膨らましに力添えさせていただいたのです。」


私は22歳にもなって何をさせられているんだ…。


「って、社長は俺に会社以外で知り合いがいないと思ってるんですか…?」


次は声色を戻して普通に喋る。


社長??


え、社長ってあの社長だよね?
あだ名とかじゃないよね?


この人…本当に職を持ってたってこと?


でも今はそんなこと考えている場合じゃない!