恋のデザインは色鮮やかに。

「あんな自分勝手なレイさんの担当を兼任してたなんて、伊藤さん凄すぎますよ。

私には無理です」


「兼任してたけど…してただけです。
何もできませんでしたから。

だけど、もっと自分に力があればなって、今になって思うんです。
レイさんのやり方には苦しめられてきたのに。
自分を責めると同時に、レイさんに反発してるんです。


ただ、本当に今さらなんですけど…」


続きを言いそうになって、はっと我に返る。


今さらだけど、レイさんの担当を続けたかった、なんて言ってはいけない。


それもナルさんの前では絶対に。


「ん?どうしました?」


「い、いえ、なんでもありません。

レイさんの担当をやらせてもらえたことは、今思うと、勉強になったかなって…」


苦し紛れの誤魔化しを、ナルさんは怪しむ様子もなく聞いていた。


レイさんの担当を1カ月も勤めあげるなんて、簡単なことじゃない。


私は1週間が限界だった。
あれ以上続けていたらおかしくなっていた。


でも、今は心のどこかでレイさんの担当に戻りたいと思ってしまっている。


私はこの飲み会で、成瀬琴乃の凄さと、自分の不甲斐なさを改めて認識させられた。